【profile】
インナービューティー料理研究家
國塩 亜矢子 Ayako Kunishio
インナービューティー料理研究家、フードコーディネーターとして各種メディアでレシピコラムや美容栄養学の連載を持つ。趣味はファミリーキャンプ。
まじめな野球少年&おてんばガールの二児母として子育てママ向けのコラムも発信中!
Instagram @enjoytable_by.a



日本全国どこに旅をしても、たいてい出会えるのが「ご当地はちみつ」。
はちみつ好きだから、自然とご当地はちみつが目に入るのかもしれません。

先日、小学4年生の息子と長野県松本市まであずさに揺られ、はじめての”母息子2人旅“に出かけました。(お年頃になってくるし2人旅なんて最初で最後かも)
そこでも、おいしい「はちみつとの出会い」がありました。


お城・城下町の雰囲気を味わいたい息子、長野グルメを満喫したい母。お互いの「好き」に寄り添う旅をしよう! と一緒に計画を立てる時間から、もう楽しくって。

ワサビの花や大量のリンゴの箱など、長野ならではの風景がそこかしこに。
国宝・松本城も、近くの城下町の面影を残した通りも、とても美しく、親子で街歩きを満喫した2日間。はちみつをはじめとしたおいしいものにも、たくさん出会いました。

旅の間、せっかくなら「ご当地でしか食べられないもの」を食べようね、と話していた私たち。定番の信州そばや野沢菜などはお土産で買って帰るとして、地元の食堂や洋食屋さん、ワインバーに老舗和菓子屋さんなどを巡っては食べ続けた旅。


到着後は、友人が教えてくれた「アルプスごはん」さんへ。地元農家さんが愛情をこめて育てられた無農薬野菜で、丁寧に作られた彩り豊かなランチプレートを頂きました。


息子は名物の黒いカレー(黒ごまたっぷり)を。
どちらもここでしか味わえない感動のおいしさで、親子で大満足。チーズのような風味の不思議なお味噌もおいしかったなぁ。

夜は、ナチュラルワインがおいしいビストロ「peg(ペグ)」さんへ。
写真は、私好みで頼んだ、地元産のブルーチーズとはちみつのひと皿。この添えられたはちみつが何とも絶品で……!


ブルーチーズというと、青カビのクセが強くて、とてもとても小4の男子は食べられない(何ならチーズが苦手な大人でも無理かも)食材です。
が、この旅で頂いたブルーチーズは驚くほど臭みがなく(でもしっかり旨味がある!)、添えられた同じく地元産のはちみつを付けると、何と表現したらよいのやら……まさに「口福」といったテイスト。

私が白ワインのお供にゆっくり味わって頂こうと思っていたのですが、息子が「もっとちょうだい!」とパクパク食べてしまうもので、一瞬でなくなりました。

チーズそのもののおいしさはもちろんのこと、チーズのおいしさを一層引き立てたくれたのが、はちみつ。地元産の食材同士は、きっと相性も良いんですよね。

あのはちみつがあったからこそ、息子が目を輝かせて「ブルーチーズっておいしいんだ!」という食体験を抱くことができたんだと思っています。小4でブルーチーズのおいしさに出会えるなんて、大人じゃん……長野のブルーチーズ×はちみつ、ありがとう。


しかし小学4年生にもなると、こうして親と同じものを味わって楽しめるんだなぁ……と母はしみじみ感慨深かったです。

ブルーチーズのみならず、はちみつって合わせる食材本来のおいしさをぐーんと引き立ててくれますよね。まさに「はちみつの魔法」!


ヨーグルトやドレッシングに添えれば酸味がまろやかに。
パンやスコーンなどの焼き菓子に添えれば小麦の風味が引き立つ。
スパイシーなカレーに加えれば、とっておきの隠し味に。

昨年春のコラムでは、山菜のカナッペをご紹介しました。これも山菜ならではの苦みが、はちみつと合わさることで食べやすくなるよ、といったご提案でした。

自然の恵みに感謝して、より一層おいしく頂く。
そんな楽しみを与えてくれる、はちみつ。
この春は、どんな食材を新たにはちみつに合わせてみようか……なんて考えるのも楽しい時間。


まず3月は、旅先・長野在住の友人に頂いた素敵なハーブティーにはちみつをひとさじ。
二人旅の写真整理をしつつ思い出に浸りながら、ゆっくり味わいたいと思います。


子育ても、めぐる季節も、目の前の景色や旬食材も後戻りできない一度きりのもの。
これからも大切に大切に、味わい尽くしたいと思います。


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