山の冬は、静かに寒さを増しています。朝もやのなか、茶畑には霜がうっすらと白いベールをまとって。そこに朝の光が差し込む風景は、里山らしい豊かな風景だな、といつも思います。

最近の外遊びのひそかなブームは、野原でのグラウンドゴルフ。家の周りをぐるぐるとショットしながら、最後はカップがわりのバケツに入れたらFINISH!

ほとんどラフばっかりのコースですが、思わぬスーパーショットも飛び出したりして、飽きずに楽しんでいます。

他には・・「赤い実あつめ」。冬場の山道は他の季節のように色とりどりの実や花はないですが、赤い実はわりとあちこちに見つかります。例えば、よく見つかるのがアオキの実。まるでコーヒーの実のようで、ついつい手に取ってしまいます。アオキは実も葉っぱも一年中みずみずしいので、冬のくすんだ茂みのなかでよく目立ちます。

他にも、ナンテンの実。ナンテンは「難を転ずる」といって縁起の良い木。家に飾っても、空気がピンと引き締まる気がします。

そして、いよいよ食べられる実♪ということで、山に咲く小さなルビー、「冬いちご」です。冬いちごは、秋から冬にかけて野山に咲きます。日当たりのいい目立つ場所ではなく、むしろ日陰の目立たない場所にひっそりと咲いていることが多いです。日陰の茂みを静かに探っていくと、枯れた野山に一際目立つ鮮やかな赤色の冬いちごを発見!濃い緑の葉と赤い小さな実がとても可愛らしいたたずまい。そのまま食べてみると酸味があります。

この小さな実を集めて、ジャムを作りました。本当に素材のみの、冬いちごとはちみつだけのシンプルなジャム。甘すぎず、程よい酸味と、 実のプチプチした食感も楽しいです♪この冬も、山の恵みに感謝して・・ 。冬いちごの鮮やかな「赤」が、食卓に彩りを添えます。冬の野山にひっそりと咲く、小さな小さな宝石「冬いちご」。冬の野山にお出かけした際は、ぜひ探してみてくださいね。


冬いちごのはちみつジャム

【材料】

●冬いちご・・・適量

二代目の蜂蜜・・・適量

(鍋で煮詰めながら少しずつはちみつを足していってください。)

【つくりかた】

1.冬いちごをよく洗ったら、鍋に入れる。

2.はちみつを鍋に入れる。

3.中火にかける。初めはいちごの水分が出てくる。途中、アクを取り除きながら弱火で煮る。

4.まだ少し水分が残るくらい、もう少しでトロっとしてきそうなところで、火を止めて出来上がり!

冬いちごはもともと酸味があるので、レモン汁も入れず、二代目の蜂蜜だけで煮詰めた本当にシンプルなジャムです。煮詰めすぎると、はちみつが飴のように固まってしまうので、まだトロトロにとろみがついてしまう前の、いつ固まる?あともうちょっと?と感じるくらいで火を止めてしまうのがベストです。パンやパンケーキ、クラッカー、ヨーグルトによく合います♪野山で手に入ったら、ぜひ手づくりジャムを楽しんでみてくださいね。BEE HAPPY♪


【profile】
ぬくもりデザイン室スタッフ
加藤 隆康 Takayasu Kato


大河ドラマ「井伊直虎」で登場した井伊の隠し里「久留女木の棚田」の近くで暮らす二児の父。時々出会う猿や鹿や猪に怯えつつ、山とはちみつのある暮らしを自然体で楽しむ日々のあれこれを綴ります。